深紅に染まるベルベットのような艶やかさの奥で、抑えきれない心の叫びが響く。
甘さと影、柔らかさと荒々しさ──矛盾する感情がひとつのハートに宿る彫刻時計。
この作品は、一枚の革だけを使い、熱と圧を加えて「形状記憶」させる特殊な技法によって生み出されています。
縫い合わせるのではなく、革そのものに立体を刻み込むため、わずかな温度や力加減の違いでも形が変わってしまう──まさに緊張感との闘い。職人の感覚と経験だけが頼りとなる工程を経て、ひとつのハートが立ち上がります。
同じものは二度と作れない。
手仕事の痕跡と革の表情がそのまま“作品の個性”となり、世界にひとつだけの存在として輝くのです。