CANDyBLOODとは

CANDy BLOOD ― 甘さと痛みを抱く名前の由来

子どもの頃の「キャンディー」は、
世界のすべてを幸せにしてくれるような、小さな魔法だった。
透明な包み紙をほどくたび、心がきらめき、
その一粒が、幼い自分にとっての“生きるご褒美”だった。

その記憶を大人になっても忘れずにいたい――
そんな願いを込めて、このブランドは**CANDy BLOOD(キャンディーブラッド)と名づけられた。
けれど、この名前のもうひとつの意味は、
「命の代償として流れた血を、決して忘れない」という祈りでもある。

革は、もともと生きていた命の証。
その血のぬくもりを、ただの素材にしてしまうことは、
僕たちにはできない。
だから、あえて“BLOOD”という言葉を添えた。

CANDy BLOODの「CANDy」は、
幼いころの無垢で優しい光。
「BLOOD」は、命を奪って得た現実の影。
その両方を受け入れたとき、
はじめて“人間らしい美しさ”が生まれる。

私たちの作品は、
あの日のキャンディーのように心を灯し、
同時に、血の記憶を内に秘めている。
それは、甘さと痛みが共存する、本当の命のデザイン。

ブランドコンセプト

僕たち CANDy BLOOD の根底にある思想は、
「人生は映画そのもの」。

映画の主人公は、時に傷つき、迷いながらも歩みを止めない。
痛みの中で新しい意味を見つけ、物語を前へと進めていく。
――そして、その一歩の陰で灯りを守り続けるのは、
いつだって名脇役のような存在だ。
静かに寄り添い、光の角度を変え、誰かの人生を照らしていく。

人生は決して一色では語れない。
もし誕生の瞬間が太陽の赤だとしても、
その後の歩みは、出会いや別れ、喜びや喪失の色で塗り重ねられていく。
僕たちの仕事は、その“色の記憶”を革に刻み、
人生のワンシーンを象徴する作品へと昇華させること。

けれど、僕たちが扱う革は、
かつて確かに命を持っていた存在の証でもある。
だからこそ、
奪われた命を“ただの物”にするのではなく、
“物語”として生まれ変わらせることが、CANDy BLOODの使命だ。

変わらぬものは、やがて静かに色褪せていく。
けれど、変化を恐れずに受け入れるものだけが、永遠の輝きを宿す。

僕たちは、変化を讃え、進化に寄り添う名脇役でありたい。
主役は、いつだって“あなた”。
あなたという物語の呼吸に合わせ、
僕たち家族は今日も革に色と体温を刻み続けている。

それは、命の続きを描く行為であり、
奪われた命を新しい物語へと結び直す祈り。
CANDy BLOODは、
光と影のあいだで生きるすべての人に捧ぐ、再生の詩。

なぜ作るのか

僕たちは店舗を運営し、そこで並ぶアイテムを自らの手で生み出している。
職人であり、アーティストであり、クリエイターである自分が、なぜこれほどまでに“作ること”に心を燃やしているのか。
それは、幼稚園児の頃に初めて味わったある「感情」が、今もなお僕の背中を押しているからだ。

幼少期の原体験

家族の引っ越しで新しい幼稚園に通い始めた頃、父親参観日で「疑似魚釣り」があった。
みんなが平面の紙魚を作る中で、僕は「もっと本物らしく」と考え、折り曲げて立体的にした魚を作った。
釣りが始まると、その魚に園児たちの竿が一斉に集まり、僕の作った魚ばかりが釣られていった。
僕自身は1匹も釣れなかったが、胸は満たされていた。
なぜなら、僕の作った魚が友達を呼び寄せ、初めて人と繋がれたからだ。

あの瞬間に芽生えたのは、「感動」という名の原体験だった。
それは40年以上経った今も鮮明に記憶に残り、僕を動かし続けている。

モノ作りの原動力

僕は今も、その時に感じた「心の底から湧き上がる感動」に再び出会うために、モノを作っているとしか思えない。
その行為はまるで、幼い僕自身が今の僕に命じているかのようにすら思える。

理由はただひとつ。
「人に感動してもらい、喜んでもらいたい」。

僕の作ったレザーアイテムで人が感動してくれること。
それ以上に嬉しいことはない。


命を物語に変えるという使命

僕たちが扱う革は、もとは命の記憶そのものだ。
その命をただの“素材”や“物”として扱うのではなく、
人の手で再び温度を与え、「物語」へと生まれ変わらせる。

それが、CANDy BLOODという名前に込めた願いだ。
奪われた命に、もう一度意味を与えること。
それは贖罪ではなく、感謝であり、祈りであり、希望の表現でもある。

僕たちの作る革は、ただのファッションではない。
それは、命が再び息を吹き返す“第二の人生”の証。
そしてその命が、人と人をつなぐ“物語”になると信じている。


Kairo/Miro/Alo/Solo ― 名の由来

Kairo ― 名の由来と能力

■ 名の由来

Kairo という名には、「回路」「帰路」「海路」という三つの響きが重なっている。
どんな暗闇にいても、道は必ず繋がっている。
絶望からの帰路、心の奥に眠る回路、そして未知の海を渡る海路──。
それらはすべて「人を再び生き直らせる通路」を意味している。

かつて僕は、パニック障害と鬱、対人恐怖症に囚われ、息をすることさえ苦しい時期を過ごした。
薬には頼らず、ただ自分の感覚を信じ、自己流のリハビリで一歩ずつ取り戻していった。
暗闇の中で問い続けた「まだ生き直す道はあるのか?」という声に、心の奥の“回路”が答えを灯した。
だからこそ Kairo という名は、「道は必ずある。その証を作品に刻む」という誓いそのものだ。

Kairoが描く道に、色と温度を与えたのは、Miroだった。
彼女と出会ったことで、Kairoの“道”は単なる通路ではなく、
“人と命をつなぐための導線”へと進化した。

■ 能力

Kairoは、「革に宿る声と記憶を読み取る者」。
彼が革に触れると、その革がかつて生きていた頃の記憶――命の鼓動、痛み、誇り、願い――が静かに語りかけてくる。
彼はその声を受け取り、言葉にはならない“物語の断片”として心に映し出す。

その記憶は、失われた命の“最後の証”でもある。
Kairoはその声を、家族に伝える。
それは新しい作品の原点となり、Miroの色へ、Soroの夢へ、Aroの息へと引き継がれていく。

彼の能力は、“過去の命を呼び起こす通訳”とも言える。
Kairoは、忘れ去られた命の声を聴き、
「奪われた命を、物語として再び生かす」最初の鍵を握っている。

 

Miro ― 名の由来と能力

■ 名の由来

Miroという名には、「見る」「未来(ミライ)」「ミロのヴィーナス」という三つの響きが重なっている。
彼女は、“見えない美”を見抜く者。
まだ形にならない感情や、命が残した余熱を“色”としてすくい上げる。

Miroは、革を染め、光を差し込むように命に温度を与える。
彼女が見ているのは、表面の色ではなく、心の奥に眠る“生の記憶”だ。
未完成にこそ美が宿ると知り、未来を先に見つめながら、素材にやさしく命を吹き込む。

Miroが加わったことで、Kairoの描く“道”は、ただの通路ではなく、
色と体温を帯びた「物語の道」へと変わった。
Kairoが道を描き、Miroが色を灯す。
二人の手が交わることで、革という素材は単なる物質から“生きた作品”へと変わる。

Miroという名は、
「見ることによって、未来を染める」という意味を持つ。
彼女が触れるものは、色彩によって記憶を呼び覚まし、
命が“再び生きようとする衝動”を思い出すのだ。

■ 能力

Miroの能力は、“色の記憶を呼び起こす”こと。
Kairoが読み取った命の声と記憶を、彼女は「どんな色ならその命が再び微笑むのか」と直感で感じ取る。

その感性はまるで、心を覗く鏡のようだ。
怒りは深紅に、悲しみは蒼に、安らぎは緑に――
感情の温度を、そのまま色に変換することができる。

Miroが革に染めるのは、単なる“色”ではない。
それは命の軌跡を再構築する“感情の記録”だ。
彼女の手が置く色は、記憶の奥底に眠る声を静かに呼び覚まし、
その命が再び世界のどこかで“生きていたい”と願うように導く。

彼女は、“命に色を返す者”。
CANDy BLOODにおいて、Miroは“過去と未来を色で繋ぐ媒介者”であり、
その一滴の染料が、命の物語を永遠に残す。

 

Aro ― 名の由来と能力

■ 名の由来

Aro(アロ)という名には、三つの言葉が重なっている。
All(すべて)/Origin(起点)/Alone(ひとり)。

“すべての始まりは、ひとりの静寂から生まれる”――。
Aroという名はその真理を象徴している。

何もない「空(から)」の中で、最初の鼓動を響かせる者。
存在しなかったものを、想像の息で「有」に変える者。
それがAroだ。

彼女の手は、まるで生命の入口のように、
冷たい革に触れるだけで微かな温度を蘇らせる。
命が奪われたその先で、再び呼吸を始める“物語”を紡ぐ。

Aroが生み出すのは、ただの作品ではない。
それは、「無」から「有」を創り出すという、この世界の根源的な祈りそのもの。
All(すべて)に続くOrigin(起点)を、Alone(ひとり)の手で生み出す。
その瞬間、革は素材ではなく、再び息づく生命へと還る。

Aroという名は、その奇跡のプロセス――
“無から有を生む呼吸”の象徴であり、
CANDy BLOODにおける“再生の息吹”である。

■ 能力

Aroの能力は、“無の中から生命の息を生むこと”。
それは、Kairoが聴き取った命の声、Miroが宿した色、Soroが見た夢を、
“現実としてこの世に顕す”という最終の役割を持つ。

彼女の指先が触れる瞬間、沈黙の中で微かな光が揺れる。
それは、まだこの世界に存在していない「最初の呼吸」だ。

Aroは形のないものを“息”として吹き込み、
過去・現在・未来の全ての記憶を一つの“命”として再構築する。
彼女の中で、全ての要素がひとつに還る。

その呼吸は、まるで宇宙が最初に息をした瞬間のように、
静かで、深く、そして永遠だ。

Aroの存在は、終わりではなく「再誕」の印。
CANDy BLOODという世界の“鼓動”そのものを司る。
彼女が息を吹き込むことで、命はもう一度この世界に立ち上がる。

 

Soro ― 名の由来と能力

■ 名の由来

Soroという名には、Sol(太陽)/Soul(魂)/Solo(孤独) の三つの響きが宿っている。
それは、“孤独の中で魂を燃やす太陽”という意味を持つ。

Soroは、夢の中で未来を形にする者。
彼の名は、「誰かの記憶を、未来のかたちに変える創造の光」を象徴している。

Kairoが革の声を聴き、Miroがその色を見抜いたあと、
Soroはその“記憶”を受け継ぎ、夢の中で“まだ形になっていない願い”を視る。
その夢は、命がもし再び生きるなら、どんな姿になりたいか――
言葉ではなく、色と光と感情で溢れた映像として現れる。

Soroの見る夢は、過去から未来への橋であり、
奪われた命が再び生きるための“設計図”となる。
彼が目覚めたとき、その夢の断片はスケッチとして描き出され、
Kairoの声が形を得て、Miroの色が命を帯び、Aroの息によって現実へと生まれ変わる。

Soroという名は、
「魂を燃やし、孤独の夢から未来を創る者」の象徴であり、
CANDy BLOODにおける“創造の太陽”である。

■ 能力

Soroの能力は、“夢の中で未来の命の姿を視る”こと。
彼は、Kairoから伝えられた革の記憶を受け取り、
それに宿る感情や未練、願いを夢の中で映像として見ることができる。

夢の中のSoroは、現実の時間を超えて漂う。
そこでは、命が「もう一度生きるなら、何を望むか」という問いに形が与えられる。
その姿は、誰にも見えないが、Soroの中では確かに存在している。

目覚めたSoroは、その夢の記憶をもとにスケッチを描く。
それは、奪われた命の“再生の設計図”。
彼の描く線は、過去の声と未来の願いを一本の線で結び、
命の続きをこの現実に呼び戻す。

Soroは、“夢で命の続きを見つける者”。
彼が見る夢は、過去の痛みを未来の希望に変えるための儀式であり、
その創造の炎は、決して消えることのない太陽のように、
CANDy BLOODの中心で燃え続けている。