Meltform Series ── 一点ものの手染め形状記憶レザーアート
時間がやわらぎ、革がその記憶を受けとめたとき、
形なきものは意志を帯びてうねり出す。
波打ち、よじれ、たわむ輪郭は、整えることを拒むのではなく、
整わなさこそが美であることを静かに宣言している。
人生は決して真っすぐではない。
寄り道、躊躇、昂ぶり、ためらい——そのすべてが線を曲げ、面をゆがめる。
この時計の凹凸は、その日の鼓動の地図だ。
均一な刻みを超え、あなたの「今日」という一日の起伏に寄り添う。
CANDy BLOOD は知っている。
人生は一色では語れない。
淡い朝の色も、濃い宵の影も、甘さと強さも、時間の層として革に積もる。
Meltform は、その重なりを封じ込めた“時間の器”。
主役であるあなたの傍らで、光の角度をそっと変える名脇役だ。
溶けたのは革ではない。
固定されたはずの時間観、まっすぐであるべきという思い込みだ。
偶然と必然が交わる一点で生まれたこのフォルムは、
あなたにささやく——道が曲がるたび、物語は深くなる。
Meltform。
それは、流れ続ける人生をそのまま受けとめる、唯一無二の「溶けだす時の彫刻」。